アメリカでネット映画配信、本格化
アメリカで映画のインターネット配信サービスが本格化してきた。ネットが新たな収益源になると見たハリウッドの映画各社が、有力作品を手ごろな価格で提供し始めた。このまま普及が進めば、DVD市場の成長は一段と鈍化し、日本の家電メーカーの次世代DVD戦略にも影響が及ぶ可能性もある。
ウォルト・ディズニーのボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)は2006年11月9日に開いた7〜9月期の業績説明会で、「消費者がネット配信を求めていることが明白になった」と映画のネット配信事業の成長に自信を見せた。
ディズニーが2006年9月からアップルコンピュータの世界最大の音楽・映像配信サイト「iTunes Store」を通じて始めた映画ネット配信は、2か月でダウンロード件数が50万本に達した。映画ネット配信の価格は購入する場合で1本10〜15ドル程度とDVDより割安だ。ディズニーはiTunes以外のサービスでも配信してゆくという。
アップル・ディズニー連合に対抗して、映画大手ワーナー・ブラザースやパラマウント・ピクチャーズも2006年11月下旬、米マイクロソフトと共同で、家庭用ゲーム機「Xbox 360」向けにネット配信を始めた。ダウンロードしてから2週間だけ視聴できる「レンタル方式」の価格は1本3〜4ドル程度。パソコンを介さずにゲーム機とテレビがあれば視聴できるのが特徴だ。
米ネット小売り大手アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)や米ネット接続最大手AOLといった大手ネット企業も参入し、競争が激化している。